
世の中デジタルになって、アナログの昔の表現媒体は廃れるばかり。
そんな空気を如実に物語るのが、レコード収集家Paul Mawhinneyさんの物語です。
ポールさんが一生かけて集めたレコードは、なんと300万枚を超えます。シングルだけで150万枚。名実共に世界最大のレコードコレクションです。
6万枚超えたところで、奥さんに言われてレコード店を開店後も、最後の1枚は売らずに必ず手元に残して大事にとってきました。
「国会図書館の話じゃ、1948年から1966年に出た音楽のうちCD化されたのは17%だけって言うでしょ。つまり残り83%はどこ探しても、いくら出しても買えないものなんですよ」
と、レコードに対する愛着、「僕が集めてやらなきゃ」という使命感、その価値を熱く語るポールさんですけど、お店はだんだん客足も遠のいてきて今年 2月には閉鎖に追い込まれました。ちょうど9月に69歳になることだし補助が受けられるぐらい視力も落ちてきたところなので、これを潮時に人手に渡そうと考え、2月にeBayに出してみました。…が、とうとう真面目な買い手は一人も名乗り出てこなかったんだそうです。
吹っかけてるわけじゃありませんよ? 鑑定では「5000万ドル相当」の評価なのに、ポールさんは「300万ドルでいい」と言ってます。いわば叩き売り。なのに、「誰も見向きもしないんだよ」(ポールさん)。
時代に取り残された嘆きを、ドキュメンタリーの短い映像でご覧ください。
【 「世界最大のレコードコレクション」のドキュメンタリー映像 】
最後の歌は「これは僕のライフ・ソングなんだ」って言ってますね。なんだかじーんときます。
オンラインでなんでも好きな音楽が手に入る中、アルバムのハードコピーは金銭的にも気持ちの上でも、価値が落ちています。でも、こんな圧倒される迫力のコレクションが、もらい手のないまま地下の暗がりに置き去りになってる姿は、本当に見ていて心が痛みます。いくらiPod時代だなんだと言ったって、これは歴史なんですから、博物館が大事に保管しておくべきなんじゃないかと思いますよね。 誰か一人でいいので良い引き取り手に恵まれたら、いいですね…。


